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2005年8月 渡米、カンザス大学Pre-Pharmacy課程編入
2006年8月 カンザス大学薬学部Doctor of Pharmacy課程入学
2010年5月 卒業、Doctor of Pharmacy Degree 取得
2010年6月 ペンシルベニア州フィラデルフィアの大学病院にてPharmacy Practice Residentとして勤務
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今週からPharmacologyのクラスは3人目の講師に代わったのだが、この講師には失望させられることばかり。今まではすばらしい講師に恵まれて毎日充実していたのに、私の中で一気にKUの良い印象が崩れてしまいそう・・・。
今年はまだ基礎分野の授業が多いので、必然的に薬剤師ではない講師が教える時間が多くなる。これは日本との大きな違いのように思う。日本では薬剤師として働いたことは無くても、一応薬学部を出て薬剤師の資格を持っているという教授が多いけれど、こちらではそういう人はほとんどいない。なぜなら、薬学部は薬剤師として働くひとのための学校で、薬学に関連する研究職を目指している学生は普通、PharmacologyやToxicology、Biochemistry、Pharmaceutical Chemistryなどを専攻している。従って教授のほとんどは薬の作用機序には詳しいけれど、臨床での薬の使い方、治療についてはほとんど知らない。けれど、今学期の前半に教えていた教授は、
「薬学生は研究職に進むのではないから、将来医療現場で必要になることを重点的に教える」
と語っていたし、その内容もとても面白いものばかりだった。なので個人的には、基礎分野の講師が薬剤師である必要は全くないと思っている。
でも、今の教授、間違ったことをまるで常識のことのように教えている。一番許せなかったのがこれ。Therapeutic Indexのトピックスのところで有害反応が起こりやすい血中濃度域と治療域が近い薬剤は他の薬剤よりも注意してモニタリングをする必要がある。その1例がジゴキシン。ここまでは良かった。けれど、その他の例としてヘパリンとtPAを出し、これらの薬剤は血中濃度をモニタリングしなければならないと説明したのだ。ヘパリンは薬物自体の血中濃度ではなくて凝固因子XaやAPTTをモニタリングするのが一般的じゃなかったけ??しかもtPAは血圧などのバイタルサインをモニタリングするのが一般的だし、tPAの血中濃度を測定するというのは初耳だったので、あわてて手を上げてコメントしてみた。けれど他にこのことを知っている学生はいるはずもなく、この教授もまさか私が薬物治療を知っているとは思わなかったのでしょう。自分の意見を繰り返すだけで全く相手にしてくれなかった。どうやら私が言った「APTT」を知らなくて、宇宙語か変な英語のように聞こえたようだ。しかも学生の中にも、私が変なことを質問したと思って笑い出す人までいて、今学期で一番憤った日になってしまった。
帰宅してからガイドラインなどを調べてみたけれど、やっぱり教授の言っていることはアメリカでも一般的に行われていないようでした。でも念のため、臨床部門の教授でKUMCでも働いている教授にメールしてみた。教授も念のため、この分野の専門薬剤師に聞いてくれると言ってくれた。なので、もし教授の言ったことが本当に間違いなら、もう一度主張してみるつもり。
同級生の1人に、他州の某有名大学を卒業している人がいる。彼女はKUの教授の質は低くて授業料を無駄にしているようだと失望している。でも高学年になればPharmacy Practiceの尊敬する先生がたくさん講師に名を連ねているので、そんなことはないと信じたい。KUのすばらしい薬剤師教育を学ぶのが私の目的の1つなのだから・・・・。今は忍耐の時期なのだと言い聞かせて・・・。
ついに今シーズン初めての雪 強風も吹き荒れ、吹雪です。積雪は3センチほど。
車道はもう泥だらけ。歩道を歩いていたら車が泥をはね、服が汚れてしまい、最悪の帰宅です
今日は昼間もずっと零下で、明日も最高気温マイナス4度、最低気温マイナス11度。どうやら明日はスケートリンクのような道を歩く羽目になりそうです。
今日は朝7時にローレンスを出て、KUMCに行って来ました。Shadowingです。車を持っている友達に頼めたので、何とかレンタカーでハイウェイ初ドライブは避けることができたのは幸い。途中、事故渋滞に巻き込まれたり、ラッシュアワーの時間帯だったりで、片道一時間半近くかかってしまったけれど、無事に午後の授業に間に合うように帰ってこられました。
Shadowingの内容については後日書きたいと思います。今日は久しぶりに新しい場所に行ったので疲れた!それにしてもいい加減、車を持たないと。一体何ヶ月車探しをしているのだろう・・・
今日は20℃まで気温が上がり、まるで冬を通り越して春が来たようです。でも来週の後半には、最高気温が氷点下になるようです。マイナス10℃を超えると耳が痛くなるのでニット帽が欠かせなくなります。
あと2週間でFinal。それが終われば、冬休み。もう心は日本へ飛んで行ってしまいそうですが、このFinalまでの期間が重要なんですよね。気を引き締めなければ・・・。
今週は3回目のShadowingに行く予定。KUMCで6年生から実際のカルテを見せてもらうというもの。でもローレンスで普段どおり授業はあるし、6年生は3時過ぎには帰ってしまうらしいので、既に予定が合わない人が続出してます。どうやら教授が事前に3年生の授業スケジュールを確認しなかったようで、6年生も困惑しているらしい・・・。どうなることやら・・・。3年生のうちに6年生から直接学ぶ機会があるのは、近い将来に自分がどこまで到達しているのかを知るという点で、とても有意義なんですけどね。やっぱり病院と大学が離れているっていうのは不便ですね。
今年もウエストローレンスにある、教授のお宅に招待していただいて、七面鳥を食べました。
去年のサンクスギビングに招待していただいて以来、お会いしていなかったのに、また招待していただいて本当にうれしかったです。素敵な、親切な方々にお会いするとつくづく、こっちに来てよかったなあと思います。教授ご夫妻は3月に日本を訪問されるご予定で、現在日本語を勉強中。早速、
「こんにちは。良い天気ですね。」
と実践されていました。やっぱり薬剤師は勉強に集中することに慣れているからでしょうか、独学なのにかなり上達されていました。
普段、教授と一対一でお話しすることはほとんどないのですが、昨日はたくさんおしゃべりしてきました。この教授はローレンスから車で45分ほどのカンザスシティーにある、カンザス大学メディカルセンター(KUMC)のがん専門薬剤師で6年生やレジデントのPreceptorでもあり、また、ローレンスキャンパスで4年生の授業も持っています。教育についてとても熱心な先生です。特に印象的だったお話のひとつをご紹介します。
今私が受けている授業内容は基礎薬学が中心で、既に化学の学位を持っている人にははっきり言って既に習ったものが多く簡単です(逆に私には苦手分野が多いですけどね)。でも高学年になるにつれて、新しいことが多くて、勉強が大変に思う学生が多いんだとか。しかも、教える側はしばしば、学生が何をもってモチベーションを維持しているのかを、考えずに必要なことを選別して教えようとしてしまうそうです。そうすると、学生のモチベーションが落ちてしまって勉強をしなくなってしまうことがあるそうです。なので、学生のモチベーションを維持しているものは何かを把握して、授業を組み立てていくことが重要、という内容のことを力説していらっしゃいました。
この教授は臨床薬剤師という概念がまだアメリカに出来る前から薬剤師として働いていらして、過渡期に大変な努力をされたようです。病院でまだ薬剤師が薬局の中だけで働いていた頃、医師に付いて病棟活動を始めたそうです。なので、日本の今の状況が自分の時にとても似ているということも仰っていました。
学生の間に、たくさんの尊敬するアメリカの薬剤師からいろんなことを吸収していきたいと思う今日この頃。
やっと休み前の最後の中間試験が終わりました!
今回は珍しく暗記ものが多かったので、日本語の語呂を使ってみました。解糖系の酵素10つの名前とその順番。日本語の良いところは、ヘキソースなどのカタカナ名がそのまま英語名と一致するところですね。以前、DNAのところでアデニン、シトシンなどの構造を暗記するのには教授直伝の英語版の語呂を使いました。アメリカ人もよく語呂を使っているんですが、私にはいまいち覚えにくいものばかりです。やっぱり文化が違いますし・・・。
でも、暗記だけではなくて、理解するのがアメリカ流。酵素反応の前後の構造式と、それがなんで反応するのか、例えば求核反応であったり、酸塩基反応によるものであったり。NADやATP、Mgが反応に関わっているとそれがどういう意味を持つのか、自由エネルギーなどなど。日本で言うところの生化学と有機化学が入り混じっている感じです。日本では気づかなかったことがわかって、あんなに嫌いだった生化学が面白くなってきました。臨床にはあまり関係ないことばかり・・・かもしれませんが。。。
でも、解糖系の前に習った「酵素」では、クラブラン酸、ペニシリン、アスピリンの作用について習いました。アスピリンは基質に対して不可逆阻害剤ですが、サリチル酸は可逆阻害剤であることなど、関連する薬剤を例として使っているので、基礎分野も飽きずに学べます。
今回もEnergy Drinkのおかげで気合十分、達成感があります。
ひとまず、休み中に一息つきたいな。